日本で新安保法が成立
コンパス紙社説(2015年9月19日6面)
多くの人々の懸念が現実のものとなった。9月17日木曜日、日本の新たな安全保障法案が参議院で可決された。
新たな安全保障法案が参議院で可決されたことで、日本は再び自国軍隊の海外派兵が可能となった。これは太平洋戦争(1941‐1945)で日本がアメリカおよび連合国に敗戦して以降、初めてのことだ。
野党が採決を阻止しようとした際に押し合いなど混乱が見られる場面もあったが、安保法案は最終的に参議院で可決された。参議院での審議中には、同法案に反対する数十万人が街頭に繰り出し抗議の声を上げた。
法案成立によって日本が再び過去同様の軍国主義に走るのではないか。日本の国内外を問わず、深い懸念が多くの人々の脳裏によぎった。
日本が望んでいた自国軍隊の役割拡大に関しては、実際には長らく議論が行われてきた。これによって日本の軍隊の役割は単なる防衛だけではなく、アメリカを含めた同盟諸国をともに守るという選択肢を持つことになる。2014年末に再選された日本の安倍晋三首相は自国軍隊の役割を拡大させるとの意欲を公けに示していた。
東・南シナ海における中国軍の攻撃的姿勢も日本政府が自国軍隊の役割を拡大させるきっかけとなった。日本の軍隊はこれまで海外での活動に参加する場合、おそらくは施設科のみが例えばイラクのように復興支援を行うことで同盟国を支援する任務を担ってきた。
「イラクとシリアにおけるイスラム国」兵士による2名の日本人殺害。この2015年初頭に発生した事件を防げなかったという無力さも、日本の安保関連法案成立を後押しする要因のひとつとなった。
7月15日、安倍首相は安保法案を衆議院に提出した。一時は激しい論戦が交わされたが、7月16日、法案は最終的に衆議院を通過し、参議院へ送られた。こうした流れは安倍首相率いる連立与党が衆議院で3分の2議席を占めていることで可能となった。
新たな安保関連法案が可決された今、私たちにできるのは、日本がこの法案を容易に適用しないよう願うことだけだ。また、法案の成立によって日本の軍国主義精神が再び息を吹き返すことがないよう望んでいる。日本の各界では現在に至るまで軍国主義の復活を懸念する声が上がっている。もし仮に日本の軍国主義に復活の兆しが見えたとすれば、彼らが全力で立ち向かってくれると信じている。私たちは逆に、中国にもさらなる自制を望みたい。同国による他国への挑発は状況を更に厄介なものにするだけである。
Kompas, 19 September 2015
Tajuk Rencana: UU Keamanan Baru Jepang Disetujui
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2015/09/21 18:30:23
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