社説:中国は度重なる軍事力の誇示をやめよ
コンパス紙(2015年9月5日)

9月3日木曜日、中国は第二次世界大戦終結70周年の記念日に自らの軍事力を示した。

中国は中距離弾道ミサイルDF-21dやその他の弾道ミサイルを含めた兵器を披露することで自らの軍事力を誇示した。だが、実際には中国が強大な軍事力を有することに特筆すべき点はない。2014年に世界第2位の経済大国となった同国にとって、巨額の軍事予算が割り当てられるのは当然のことであるためだ。

よく知られているように、ラテン語には「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ(si vis pacem, para bellum)」という警句がある。また、中国語にも「datie hai xu zishen ying(鉄を鍛えるには強い体でなければならない)」という表現がある。

中国の習近平国家主席が軍事パレード前の演説で、中国の軍事力は平和目的のものであると述べたが、これは賢明な判断だった。中国には世界の支配者となるつもりはない。

しかし、私たちが望むのは、仮に平和目的であったとしても、中国が度重なる軍事力の誇示をやめることにある。なぜなら、中国が軍事力を示すたびに、同国周辺の小国を追い詰めるだけではなく、日本の軍備拡張の呼び水にもなるためだ。

周知の通り、中国は南シナ海において、ブルネイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、台湾との領有権問題を抱えている。領有権問題を抱える水域への中国船の派遣は、いかなる理由であれ、同水域周辺の緊張を高めることにつながる。ましてや、中国は人工島と共に飛行場も建設している。懸念されるのは、中国が今後も南シナ海での行動を改めないとすれば、アメリカが再び東南アジアでの影響力確保に乗り出すことだ。

日本も東シナ海で中国との領有権問題を抱えるが、仮に中国が同海域で軍事力の行使を行ったとすれば、決して座視することはないだろう。
 
日本が再び過去同様の軍備拡張を推し進めないように、70年前の行為に対する同国の罪悪感を利用すること自体に問題はない。しかし、中国がこのまま日本を追い詰め続けるのであれば、同国が軍備拡張競争に舵を切るということも決してあり得ない話ではない。

こうした点から、中国が本気で平和を求めるのであれば、度重なる軍事的示威活動をやめることで、その思いを示してもらいたい。私たちが望むのは、中国による平和のメッセージがはっきりと示されることだ。