原油が日本を救う-2年9が月ぶりの貿易黒字
コンパス紙国際面(2015年4月23日)

東京、水曜日-世界的な原油価格の下落によって多くの国が救われることが明らかになった。日本は輸入の減少と輸出の増加によって多額の利益を得た国に含まれる。もっとも、こうした原油価格の下落といった外的要因は日本の経済成長の持続性を保証するものではない。

しかし、暫定的ではあるが、日本は欧米諸国含めた先進諸国を襲う経済不況に対する懸念から解放されることとなった。日本は2015年3月の貿易収支で、2012年6月以降で初となる黒字を記録した。

これは車、電子部品、電化製品の輸出増加による後押しを受けたものだ。日銀による金融緩和政策の影響としての円安も日本の輸出実績を押し上げた。

2015年3月の日本の輸出額は2月と比べて8.5パーセント増加した。一方で、日本の輸入は14.5パーセント減少した。これはとりわけ日本の主要輸入品のひとつである原油の価格が下落したためだ。日本は2015年3月、2293億円(19億ドル)の貿易黒字を記録した。

輸出が日本の助けとなるのは、企業収益の増加につながるためだ。「輸出は今後も増加していく。アメリカへの積み荷が主要な原動力となっている。原油価格が下落する間は貿易収支の黒字も拡大していくだろう」と三井住友アセットマネジメント・シニアエコノミストの武藤弘明氏は語った。

この明るい話題は日経平均株価上昇の要因ともなっている。4月22日水曜日の日経平均は20,433.90円に達した。日経平均が2万円の大台に達するのは2000年4月14日以来で初となる。すなわち、ここ15年における日経平均の最高値となったのだ。

保証はない
 
ただし、この明るいニュースによって、日本経済の主要な柱となる国内需要が拡大することはなかった。同時に1990年代以降 国内消費の低迷や高齢化による生産性の低下が原因となって日本を襲った経済不況が払拭された訳でもない。

輸出に関しては、日本は静観している場合ではない。アメリカ、ヨーロッパ、中国といった主要な輸出相手国が将来的に大きな保障とはならないためだ。

「3月に生じた貿易黒字は輸出の増加よりも、それ以上に輸入の減少が原因だ」とみずほ証券シニアエコノミストの宮川憲央氏は語った。「日本はおそらく今後数か月は貿易黒字を記録するだろう。しかし、そうした状況が続いていくという保証はない」

安倍晋三政権は今、どうすれば今後も経済成長が持続していくかを躍起になって検討している。いつまでも回復しない国内需要を後押しするために日銀も動員された。

原発
 
経済成長を進める中にあって、日本のある裁判所が鹿児島県川内原発の再稼働差し止めを求める住民の訴えを却下する決定を下した。九州電力は原発の再稼働許可をすでに得ているが、安全面を理由に住民からの反対を受けていた。

安倍首相は電力需要を理由として原発を再稼働するためにあらゆる層に働きかけていた。2011年の地震と福島原発の事故以来、日本に存在する原発48基すべてが停止している。

2011年の地震以前、日本の電力需要の30パーセントが原発によってまかなわれていた。原発の再稼働が日本の助けとなるのは、燃料の輸入が劇的に抑えられるためだ。

Kompas, 23 April 2015
Minyak Selamatkan Jepang

【管理人コメント】
4月24日、上記の記事に関連して、「原油に救われた日本」という社説がコンパス紙に掲載されました。この社説も近日中に合わせて翻訳するつもりです。完成まで少々お待ちください。

【2015年5月10日追記】
【デフレ脱却か】「原油に救われた日本」-インドネシア・コンパス紙社説(2015年4月24日)