インドネシア主要各紙はリー・クアンユー氏の死去をどのように報じたのか。3月24日付けストレイツ・タイムズ(電子版)に興味深い記事を見つけた。同記事では、リー・クアンユー氏の死去を1面で報じたマレーシア、タイ、インドネシア、中国、インド、フィリピン、韓国、オーストラリア、アメリカの主要各紙(日本はなし)に関する簡潔なまとめが掲載されている。詳細は以下のリンクを参照して頂くとして、ここではインドネシア関連部分を引用してみよう。

Front-page tributes to Mr Lee Kuan Yew in newspapers in Asia

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There was extensive coverage of Mr Lee's death in Indonesia, with at least six morning newspapers reporting the news on their front covers. The Jakarta Post devoted five pages to "the sage and giant of South-east Asia", as one editorial described him. The Jakarta Globe also paid front-page tribute to Mr Lee with the headline "Farewell to a good friend". In its five pages of coverage, the newspaper said that Indonesia remembers him as an "inspiration".

A commentary in Jawa Pos newspaper referred to Mr Lee as "The Philosopher King", while Republika described him as a "friend" with a sharp tongue. Kompas said that Mr Lee's spirit will live on, adding that he leaves behind a successful Singapore. Media Indonesia described him as an authoritarian with merit and "a father of the nation loved by its people".

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2015年3月24日付け朝日新聞1面

上記の記事によれば、3月24日のインドネシアではリー氏の死去を少なくとも主要6紙が1面で大々的に報じたという。日本でも、例えば、朝日新聞は1面および社説を含むその他3つの記事でリー氏の死去を大きく報じたが、1面での扱いをインドネシア各紙と比較してみれば、その差は歴然としている。インドネシアにとってリー・クアンユー氏がどれほど大きな存在であったのかが、今回の日イ両国の報道の違いから、図らずも証明された形となったのではないだろうか。

ところで、記事で言及されたインドネシア各紙の報道はネット上でも読むことができる。以下に、備忘録も兼ねて該当すると思われる記事のリンクを掲載しておこう(ジャカルタ・グローブ紙は該当する記事がよく分からなかったため割愛)。個人的にはレプブリカ紙の記事が面白かったので、できれば翻訳してみたい。

★ジャカルタ・ポスト紙(英語)

★ジャワ・ポス紙(インドネシア語)
Lee Kuan Yew: The Philosopher King

★レプブリカ紙(インドネシア語)
'Sahabat' yang Berlidah Tajam

★コンパス紙(インドネシア語)
Semangat Lee Tetap Hidup(全文は有料会員のみ)

★メディア・インドネシア紙(インドネシア語)
Menimbang Lee Kuan Yew(社説)

【関連記事】(日本語訳)
「リー・クアンユーとその遺産」-コンパス紙社説(2015年3月24日)