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日本のポルノビデオに関する卒論を書いたガジャ・マダ大学生
2015年2月6日(金)

Merdeka.com - 日本のポルノビデオがムハンマド・ナウファル・リダのさらなる調査への意欲をかきたてた。ガジャ・マダ大学人文科学部日本文学科に在学中のナウファルは学内のJAV(Japanese Adult Video)愛好者たちを対象とした調査を行った。

社会的にはタブーとされているが、ナウファルはこのテーマを自身の卒業論文で取り上げた場合、積極的な評価が得られるだろうと確信していた。こうした関心を持つきっかけとなったのは学内で開催された日本語のスピーチコンテストだった。このコンテストで日本のポルノビデオについて語ったところ、審査員たちから好意的な評価が得られた。そこで、そのスピーチを「JAPAN ADULT VIDEO (JAV愛好者である4人のガジャ・マダ大学大学生に関する事例研究)」というタイトルで卒業論文にまとめようと思い立ったという。
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「そういったものはまだタブーですしね。あのコンテストではJAVについて話すつもりでしたが、審査員の中には日本人もいたので、なんだか気まずくて、結局はテーマをポルノサイトに変えました」と2月4日水曜日、ナウファルは「merdeka.com」に語った。

そうした構想はインドネシアで日本製品の存在感が増す中で生まれたものだ。インドネシアではまるで日本との物理的な距離を消し去るかのように、「ドラえもん」や「キャプテン翼」などのアニメが広く親しまれてきた。

それでは以下に、卒論で日本のポルノ映画を取り上げたガジャ・マダ大学生に関する5つのエピソードを紹介しよう。


1.アニメの国も今や昔、ポルノビデオで知られる日本

ムハンマド・ナウファル・リダは現在ガジャ・マダ大学人文科学部日本文学科で学んでいる。日本語スピーチコンテストへの参加をきっかけに、学内のJVA(Japan Adult Video)愛好者らに関する研究をまとめた。研究のきっかけとなったスピーチコンテストでは、ポルノサイトをテーマに取り上げた。審査員たちから好意的な評価を得ると、続いてはそのスピーチをもとに卒論をまとめることにした。

「そういったものはまだタブーですしね。スピーチではもともとJAVを取り上げるつもりでしたが、審査員の中には日本人もいたので、なんだか気まずくて、最終的にはポルノサイトに関する内容に変更しました」と2月4日水曜日、ナウファルは「merdeka.com」に語った。

インドネシア人の対日イメージの変化がJAV愛好者に関する調査のきっかけとなった。ナウファルのよれば、「ドラえもん」や「キャプテン翼」などのアニメから大きな影響を受けた子供たちは、作中で描かれる日本人の規律正しく、常にやる気に満ち、真面目なといった性格と日本に対する認識を結びつけて考えようとするという。

「インドネシア人が持つ日本のイメージという視点から着想を得ました。2006年以前の世代では日本といえばドラえもんやキャプテン翼でしたが、2009年になると事情が違ってきます。僕はちょうどその世代でした」とナウファルは語った。

2006年以降はもはや「ドラえもん」や「キャプテン翼」などを知らない世代だとナウファルは続ける。そんな彼らが知っているものが日本のアダルトビデオだという。

「とある学生と知り合った時のことですが、僕が日本文学科の学生だと言うと、ミヤビと話せるなんて最高じゃないかと間髪入れずに言われました。結局、知られているのはそこなんです。アダルトビデオなんですね」とナウファルは説明した。


2.指導教員の偏見

2013年、ナウファルは「JAPAN ADULT VIDEO(JAV愛好者である4人のガジャ・マダ大学大学生に関する事例研究)」と題した卒論を提出した。彼は2007年度から2011年度にかけて入学したJAV愛好者の大学生4人に関する調査を行った。

「普段からJAVをコレクションしてる人を知ってたら教えて、と雪だるま式に友人たちに訪ねて回ったところ、最終的に4人の学生と知り合うことができました。ドラえもんなどのアニメを見て植え付けられた日本に対するイメージは、果たしてAVを見た後では変化するのか。この点に関して、彼らから詳しい聞き取りを行いました」とナウファルは語った。

その結果は実に驚くべきものだった。なんとJAVを見た後でも対日イメージに変化は見られなかったのだ。

「当初は(対日イメージには)間違いなく変化はあるだろうし、わざわざ調べる必要はないと指導教官に言われていました。しかし、実際には、愛好者に限って言えば、変化は見られませんでした。彼らの日本に対するイメージは一貫していました。ポルノ製品はどの国でもあるものだし、大したことではないと考えていたようです」とナウファルは話した。

彼の卒論を賞賛する声も多く聞かれたが、残念ながら、良い評価が与えられることはなかった。調査対象としたJAV愛好者がわずか4人だったためだ。

「4人ではあまりも少なすぎると指導教官に言われ、評価Aはもらえませんでした。でも、4人でもかなり大変だったので、調査対象をさらに増やせば、訳が分からなくなっていたでしょうね」とナウファルは話した。


3.欧米よりもクリエイティブな日本のポルノ

ムハンマド・ナウファル・リダが2013年に行なったJAV(Japan Adult Video)愛好者の学生に関する研究は、興味深い新たな事実を提示している。彼が調査した4人のJAV愛好者の証言によれば、JAVは欧米のポルノビデオよりもクリエイティブであるという点でほぼ全員が一致したという。

「彼らがJAVを好むのは、欧米よりもクリエイティブかつ際立った特徴を持っているからです」と2月4日水曜日午後、ナウファルは「merdeka.com」に語った。

例えば、JAVは欧米のものよりもじらすシーンが多いが、それが逆に興味をかきたてる。また、ストーリーも幅広いがだらだらと続くわけではない。加えて、撮影場所もバリエーションに富むなど革新的なアイデアが見られるという。

「例えば、欧米では現在、タクシー内で撮影を行うフェイク・タクシーがトレンドですが、日本ではかなり前からこの手法を取り入れています。前戯のプロセスも実に特徴的です。また、タイム・ストッパーという用語もあります。銅像のように動かなくなった女性とそのまま行為に及ぶというものです。こうした点が、彼らに言わせると、欧米モノよりもクリエイティブなのだそうです」とナウファルは説明した。

クリエイティブな面の他に、文化的・地域的な近さがJAV愛好者たちをさらに夢中にさせる要因となっている。ナウファルによれば、彼らはインドネシアでも馴染み深いアジア的な容姿に想像力をより刺激されるのだという。

「彼らの話をまとめると、文化的な近さ、クリエイティブさ、そして興味をかきたてるストーリーという組み合わせが、JAVをアジア人に非常に受け入れられやすいものにしていると言えます。一方で、欧米モノの場合は違います。何もしていないのにもう脱いでしまっている訳ですから」とナウファルは語った。


4.宗教団体メンバーも日本のポルノをコレクション

ムハンマド・ナウファル・リダはJAV愛好者であるガジャ・マダ大学の4人の学生に関する調査を行う中で、そのうちのひとりが宗教団体のメンバーであることに驚きを感じたと話す。さらに、その人物は「イスラムの精神(ロヒス)」という団体の代表候補になったこともあるという。

「驚きましたよ。彼はたくさんのコレクションを持っていましたしね。彼はロヒスの代表に推されたこともあるそうですが、今はまだ相応しくないと感じていたので辞退したと聞いています」と2月4日水曜日、ナウファルは「merdeka.com」に語った。

それだけではない。調査対象となった学生の一人は500ギガバイトに達するJAVのコレクションがあると話した。その学生はまた、HDクオリティでJAVをダウンロードするには数時間かかるが、このためにネットカフェに通い詰めているという。

「500ギガものコレクションを持っているというのも気味の悪い話ですよね。あまりの多さに驚きました」とナウファルは語った。


5.JAVに最も関心があるのはインドネシア

ナウファルは3か月にわたる調査の過程で、調査対象となった4人の学生の証言の他に、驚くべき数多くの事実を見つけたという。

「僕が手に入れたグーグルのデータによれば、2008年に最も多くJAVを検索したのはインドネシアでした。地域別にみるとジョグジャカルタが最多で、ジャカルタ、バンドンと続きます。僕らのJAVに関する関心はもうどうしようもないくらいですね。世界で最多の検索数を記録するなんて」とナウフィルは語った。

加えて、インドネシアは過去に数度、JAV女優を映画に出演させているほどだ。

「この国では俳優が映画に便乗するのではなく、映画が俳優に便乗するというのもおかしな話です。以前にはミヤビの騒動がありましたし、(インドネシアの)ホラー映画Suster Keramasだって、(JAV女優の)桜木凛が出演しなければヒットなどしなかったでしょう」


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