国際:日本、軍隊の役割を拡大‐野党と国民は新法案に反対
2015年7月16日付コンパス紙11面

東京、水曜日-日本の衆院特別委員会は7月15日水曜日、激しい反対や議論の中で、自国軍隊の役割を拡大する2つの法案を賛成多数で可決した。両法案の可決によって、日本の自衛隊が集団的自衛権の範囲内で海外での武力行使を行なう機会が開けた。

215701
【写真:7月15日水曜日、東京の国会議事堂前で日本兵の写真を掲げてデモに参加する女性。デモには数百名が集結。参加者たちは安倍晋三首相が主導し、議会で過半数を占める自民党も支持を表明する安全保障関連法案の成立に反対していた。この法案によって、同盟国が攻撃を受けた際の武力行使など、集団的自衛権の行使に関して自衛隊の役割が拡大される】

これら2つの法案は現在も物議を醸しているが、衆院特別委員会での承認を受けて、今日木曜日に与党である自民党が過半数を占める衆議院での可決を目指して審議が行われる。

衆院特別委員会での採決は紛糾した。野党議員が採決中止を求める一方、国会前の路上は反戦を求める人々で埋め尽くされた。

野党議員の反対によって、国会内では混乱が生じた。怒号が飛び交い、委員会室の机が何度も打ち付けられた。彼らは「アベ政治を許さない」「強行採決反対」などと書かれたプラカードを掲げ、「反対、反対」と叫び声をあげた。

一部の野党議員が自民党の浜田靖一委員長に詰め寄った。しかし、採決は続行され、過半数を占める自民党議員の賛成によって法案は可決された。

「安全保障政策の大転換、しかも違憲の疑いが極めて濃い、そういう法案が強行採決されたことに強く抗議したい」と野党民主党の岡田克也代表は話した。

これら2つの法案は安倍晋三政権が提案したものだ。法案の可決は安倍首相にとっての優先施策であるとも言える。首相はこれら法案が日本にとっていかに重要かを繰り返し強調していた。

しかし、複数の世論調査によれば、日本国民の大多数がそれら法案に反対している。彼らは不安を感じると同時に、両法案は戦後70年にわたって守ってきた日本の平和主義政策に対する冒涜であるとみなしている。

衆院特別委員会での反対以外に、路上でもデモが行われた。都心に位置する国会議事堂周辺では数百人のデモ参加者が路上を埋め尽くした。両法案は今日木曜日に衆議院本会議で審議される予定だが、デモ参加者もそれに合わせて増え続けている。火曜日に行われた同様のデモ行進の参加者は2万人に達したとされる。

軍事態勢

しかし、安倍政権は発足当初から軍事態勢の正常化にこだわってきた。第二次世界大戦の敗戦後、日本の安全保障政策は専守防衛に限ると定められた。日本の軍隊が自衛隊と命名されたのもこのためだ。

安倍首相は個別的自衛権の概念を集団的自衛権に変更するべく、日本国憲法の再解釈に意欲をみせている。第2次世界大戦後に定められた憲法によって、日本は国内問題を除いて、問題解決において武力の使用が禁止されている。

一方で、日本はこの変更によって、海外も含めた軍事力の行使を行なう機会を得る。この点に関して、少なくとも3つの状況が想定されるとしている。

第一に、日本もしくは同盟国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民が危機に瀕する場合。第二に、自衛および国民を守るために自衛隊に出動が可能となる。

第三に、武力行使は必要最小限度の行使にとどまる。

政治的対価

両法案が衆議院で可決された場合、続いて参議院での審議が行われる。安倍首相は法律の制定にあたって、衆参両院での審議が終わるまで国会会期を延長した。

しかし、安倍首相の頑なな姿勢には高い政治的対価が求められた。朝日新聞が行なった世論調査によれば、安倍首相の支持率は反対の42パーセントを下回る、39パーセントまで急落した。

Kompas, 16 Juli 2015
Internasional: Jepang Perluas Peran Militer
Dua UU Baru Ditolak Oposisi dan Rakyat