文化:日本文化に熱狂する若者
2015年5月11日付けコンパス紙25面

5月9日土曜日正午、照りつける日差しの中で、日本の漫画キャラクター風の衣装に身を包んだ若者たちが姿を見せた。彼らは日本文化と料理の祭りである縁日祭2015の常連客だ。

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写真:5月9日土曜日、南ジャカルタのブロックMで開催されたリトル・トーキョー縁日祭を盛り上げる阿波踊り。今年で6回目を迎える縁日祭は、大半を若者が占める来場者たちに熱狂的に迎えられた。行事は週末土日の2日に渡って開催され、日本文化に対する盛り上がりは夜になっても続いていた。

毎年開催される祭りの開始を告げるため、神輿の行列がブロックMエリアを練り歩いた。この神聖な乗り物は神道の移動可能な神社としても知られている。神道の信者は、神輿とは日本の神々の乗り物であると信じている。

チレゴンから来た日本アニメのファンであるディカ(23)は、2011年の初開催以降、縁日祭には毎年、お気に入りのアニメキャラクターの衣装を着て参加してきたと話す。チレゴン・ファタヒラ大学に通うディカは小遣いから35万ルピアを出して、ナルトの衣装を購入した。目的は祭りの訪問者を楽しませることだという。「自分の趣味で人を笑顔にできて幸せです」と彼は語った。

着飾った事は無駄にはならなかった。彼の衣装は祭りの来場者の注目の的となった。中にはこの日本アニメのキャラクターと写真を撮ろうとする者もいた。子供ばかりか大人まで、まるでこの機会を逃すまいとしているかのようだった。

ナルトの父親である波風ミナトの衣装を着て縁日祭を訪れたハディ(21)も同様の経験をしていた。彼の周りには日本アニメのファンたちで人だかりができていた。お気に入りのキャラになりきるべく、ハディは50万ルピアの費用を投じた。 

来場者たちはハディの白いウィッグに興味を持ち、実際に触れて確かめていた。ハディと写真を撮影した来場者の誰もが例外なしに彼の頭に触れていた。その多くは日本のアニメが好きな若い女性たちだった。

ディカとハディが女性に囲まれる一方で、ビヌス大学の女子学生であるアナスタシア(20)は男性陣の注目の的となった。来場者で混雑する会場にあって、彼女が着る日本の女性用の着物は美しくユニークに映った。

だが、誤解してはいけない。アナスタシアの美しい出で立ちにかかった費用は〝わずか〟20万ルピアにすぎない。これは他の衣装と比べても少ない予算であるという。「趣味はお金を使えばいいというものではないので」と彼女は語った。

アナスタシアはこれまで5回、縁日祭に参加してきた。食べ物、お土産から踊りまで、夜になっても続く盛り上がりに飽きることはないという。

夕方になると、阿波踊りが始まった。ぴんと背筋を伸ばした踊り子たちが両手を頭上で動かした。笛や太鼓などのお囃子がリズムに合わせて演奏される。女性の踊り子たちは踊りを披露しながらメラワイ地区を練り歩いた。男性の踊り子たちは腰を落として、ダイナミックな手と足の動きを見せていた。

日本のアニメ、文化、伝統、食べ物などに興味を持つ来場者にとって、この国に関するあらゆる事柄を満喫するには、行事が開催される2日間だけではもちろん不十分だ。

ビヌス大学に通うリズキ(20)は、縁日祭は日本文化に気軽に親しめる機会であると話す。彼のお目当ては、たこ焼き、お好み焼き、miramin(訳注:おそらくラーメンの意)といった日本料理にあるという。

また、お気に入りの歌手である飛蘭(フェイラン)のコンサートへの参加も縁日祭を訪れた目的のひとつだ。コンサートが始まる少し前に、リズキと6人の友人たちは会場をまわり、好物のお好み焼きを購入していた。

「日本へ行くにはとてもお金がかかる。こうした行事を毎年開催してもらいたい」とリズキは語った。

インドネシア芸術大学ジョグジャカルタ校講師のスワルノ・ウィストロトモは、縁日祭を日本のインドネシアにおける長期的な文化的投資として評価している。そして、インドネシアの若者たちが日本人の生活習慣からポジティブな側面を学ぶように提言した。

「消費世代として育ってしまわないためにも」とインドネシア国立ギャラリーで館長を務めるスワルノはメッセージを伝えた。
 
Kompas, 11 Mei 2015
KEBUDAYAAN: Antusiasme Anak Muda dalam Budaya Jepang