日本の戦争犯罪:安倍首相、第二次世界大戦犠牲者らに遺憾の意を表明
2015年5月2日付けコンパス紙国際面(8面)

ワシントン、金曜日-4月29日水曜日、日本の安倍晋三首相は米国連邦議会上下両院合同会議で初めての演説を行なった。多くの層が第二次世界大戦時に日本が行なった行為について、同国による正式な謝罪を求めていたが、安倍首相の演説は彼らの求めに応じるものではなかった。日本の過去の行いにはアジア各国の数十万人の女性に対する性奴隷問題も含まれる。

米議会での演説において、安倍首相は第二次世界大戦で犠牲となったアメリカ国民に深い哀悼に意を表明したのみだった。「先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼をささげます。とこしえの、哀悼をささげます」と、ニュースサイト「ドイチェ・ヴェレ」が報じたように、安倍首相は語った。

米議会での演説を前に、安倍首相は推定40万人の米国人の命を奪った大戦の慰霊碑を訪問し、花輪をささげた。

「歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙とうをささげました」と安倍首相は同慰霊碑で語った。

この前日、ホワイトハウスで行われたバラク・オバマ米大統領との共同記者会見で、安倍首相は旧日本軍に性奴隷にされた女性被害者のことを思うたびに非常に心が痛むと述べた。「人身売買の犠牲となって弁舌に尽くしがたい辛い思いをされた方々の事を思い、非常に心が痛む」と安倍首相は語った。

歴史家の推定によれば、一般に、韓国、中国、およびインドネシアを含めたアジア諸国のおよそ20万人の女性が犠牲になったとされる。

謝罪は行わなかったが、安倍首相は米議会で村山富一元首相の談話を今後も継承していくとした。1995年、村山元首相は第二次世界大戦期における日本の行為に対して、日本政府として謝罪を表明した。

各国の反応

アメリカ訪問時の安倍首相の声明に対して、異なる反応が見られた。アメリカのジョー・バイデン副大統領は、安倍首相の演説は日本が認めるべき責任にも言及している事は明らかだと指摘した。

一方で、北朝鮮と韓国からは非難の声が上がった。安倍首相の言説は歴史の歪曲であると両国は非難した。北朝鮮政府は、日本の指導者は精神障害者かつ悪質な扇動者であると強い口調で言及した。

韓国外務省は別の機会に、安倍首相の米議会演説は全く以て不誠実な謝罪が盛り込まれたものであるとした。

中国国営通信社の新華社通信は、社説の中で、70年前の戦争犯罪に対して明確な謝罪を表明することに、日本の国粋主義的指導者はまたもや失敗したと報じた。

Kompas, 2 Mei 2015
KEJAHATAN PERANG JEPANG: PM Abe Sesalkan Para Korban PD II

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