社説:在外公館へのテロ、高まる脅威
コンパス(2015年3月5日)

3月3日火曜日朝、オーストラリア・シドニーのインドネシア総領事館が見知らぬ人物に襲撃された。

この人物は血のような赤色の液体が入った風船を数個、在シドニーインドネシア総領事館前の地面に投げつけた疑いがもたれている。インドネシア領事館はすぐにこの出来事を通報した。現地警察が直ちに包囲網を敷き、現場周辺の警備に当たった。

デイリーテレグラフ紙によれば、ニューサウスウェルズ警察当局はその赤い血に似た液体は危険物ではないとしているという。監視カメラの映像から、ひとりの女性が複数の風船をインドネシア総領事館前の地面に置き、ひとつずつ踏み潰していったと判明した。それらの風船には血のような赤色の液体が入っていた。女性の行動はおよそ5分にわたって行われた。

この女性によるテロ事件は、麻薬事件に関連した2名のオーストラリア人、アンドリュー・チャンおよびミュラン・スクマラン死刑囚の死刑執行に関連したものであると考えられる。これから数日の間、オーストラリア・キャンベラのインドネシア大使館やその他の都市にあるインドネシア在外公館は同様の抗議活動やテロ行為の標的となる可能性がある。

大使館やその他の在外公館に対するテロ行為は国家間の関係上、当たり前のように発生する。これはインドネシアにある大使館やその他の在外公館も経験している。もしテロが発生した場合、重要となるのは、自国にある大使館や他の在外公館の安全を確保するために、現地警察当局がただちに最大限の対応を行なうということだ。この点に関して、オーストラリアの現地警察当局が見せた素早い対応には感謝したい。

今回の風船テロ事件はシドニーのインドネシア総領事館にとって、特異な事例と言える。過去にはわずかに、麻薬時間に関与したバリ・ナインと呼ばれるオーストラリア人死刑囚らの死刑に反対する垂れ幕を掲げたデモ隊が姿を見せただけだ。時には、デモ隊が領事館の壁にポスターを貼り付けていくこともあった。抗議の形態としては電子メール、普通郵便、電話を通じて行われるものが最も多い。

「今回の事件は取るに足らないものであり、過剰な反応を示す必要はない」。私たちはこのプラティクノ国家官房長官の声明に賛成する。過去を振り返れば、キャンベラのインドネシア大使館前にデモ隊が抗議を行なうためのテントを設置したこともあった。これは1991年11月12日、当時はまだインドネシアの一部だった東ティモールのサンタクルス墓地で発生した、デモ隊への発砲事件に端を発したものだ。

Kompas, Kamis, 05 Maret 2015
Tajuk Rencana: Teror ke Perwakilan RI Meningkat